下肢静脈瘤の手術【レーザー・高周波治療】

   

レーザー・高周波治療とは

静脈の中に細いレーザーファイバー(もしくは高周波カテーテル)を通して、レーザー(高周波)の熱によって静脈をふさいでしまう方法で、正式には血管内焼灼術といいます。

以前から行われているストリッピング手術は、太ももの悪くなった静脈自体を手術で取り除きますが、レーザー(高周波)治療は静脈を引き抜くことなく、血管の中から静脈をふさいで静脈瘤の原因でもある逆流を止めてしまいます。

本治療の良い点は、身体に優しい侵襲性の低い治療ということです。

従来の静脈を引き抜くストリッピング手術では足の一部分を小さく切開しなければならないのに対し、レーザー(高周波)治療では膝の内側に細い針を刺すだけで治療することができるのです。
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太ももの血管を引き抜かず、逆流している静脈を塞ぐだけですので、出血や手術の後の痛みが少なくなります。

「切らない」身体に優しい治療法

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本治療はメスを用いません。
静脈瘤の原因となっている弁が壊れてしまった血管に細い針を刺し、そこから細い管(カテーテル)を入れ高周波の熱で血管を閉じるだけです。。

手術時間も約15-30分と短く、術後の傷も小さい(針穴のみ)ことから、その日のうちに帰宅できる日帰り手術を可能にしました。
当院では、この高周波治療を行ない、術後の痛みや腫れ、皮下出血(紫斑)を軽減します。

レーザー(高周波)治療のメリット

  • 痛みが少ない
  • 傷口が小さい
  • 日帰りで治療できる
  • 副作用が少ない
  • 処置時間が短い
  • 治療期間が短い

手術時の麻酔方法について

まれに、患者さんから「以前診てもらった病院では、入院して全身麻酔をしないと手術できないと言われ手術するのを諦めた」と言われることがありますがこれは間違いです。

実際には患者さんまたは下肢静脈瘤診療に携わらない医師が、静脈瘤治療は全身麻酔で行うと誤解している可能性が高いと思います。

当院では、血管内焼灼術、ストリッピング、いずれにおいてもTLA(tumescent local anesthesia:膨潤局所麻酔)麻酔を採用しており、実際に血管を焼灼する際や、ストリッピングで血管を抜く際、無痛で手術することができます。また、意識のある状態で痛みがないか確認しながら手術することで、より安全に手術することが可能になります。

術中超音波写真

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黄色のマークが血管内に挿入されたカテーテルです

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赤矢印の範囲にTLA麻酔が注入されています

より満足度を求めてスタブアバルジョン法を併用

実は、静脈瘤はレーザー(高周波)治療だけでは特に見た目のぼこぼこについては完全に治すことができません。

レーザー(高周波)治療で治す血管は太ももの静脈「伏在静脈ふくざいじょうみゃくという太い静脈だけで、ひざ下のふくらはぎの静脈のコブは小さくはなりますが残ってしまうことがあります。

そのため、より完璧を目指すのであればふくらはぎのコブにも治療が必要となります。

そのため、レーザー(高周波)治療時に、特殊な器具を使って1-2mmの小さな穴からコブを取り除いてしまう方法をちることがあります(これをスタブ・アバルジョン法といいます)。

スタブ・アバルジョン法による傷は非常に小さいので、痛みはほとんど無く、傷跡も目立ちません。

痛みやむくみ、足がつるといった具体的な症状の改善だけでなく、見た目の改善にもつながる治療です。

高周波治療を受けられた女性の方から、「気がねなくスカートがはけるようになった!」といった感想をいただくことも。
翌日からお仕事に戻ることもできるので、お忙しい方にも合った治療法と言えます。

レーザー(高周波)治療は保険が適応されています

下肢静脈瘤のレーザー治療は、当初健康保険が使えず、高額な自由診療でしか行えませんでした。
しかし現在はこの画期的な治療法が保険収載され、治療適応のある方全員が保険で治療することができるようになりました。

もちろんレーザー(高周波)治療だけでなく、診察料、超音波エコー検査、術前検査や治療後の診察などすべて保険が適用されます。

手術後の経過

施術直後

歩いて、もしくは電車やご家族・友人が運転するお車に乗って帰宅できます。
足の麻酔をしていますので事故に合わないためにも自転車に乗ったり、自身で車の運転をしないようにしてください。

術後包帯を巻いて、弾性ストッキングで圧迫させていただきますので、歩きにくさはありますが普段通りの生活が送れます。

治療翌日

来院して包帯をはずし、傷を消毒します。
超音波検査をして、静脈がきちんとふさがっているかどうかを確認します。
車の運転はできますが、自転車には乗れません。

治療後2-3日

立ち上がったり、階段を登る時に、太ももに違和感やつっぱり感を感じることがあります。
シャワーを浴びることができるようになります。
入浴は治療後5日目以降になります。

治療後1週間~

自転車に乗ったり、ジムに通ったり、テニス、ゴルフなどの運動を再開していただけます。
太ももは押すと痛みは多少まだあります。

~治療後1ヶ月

突っ張る感じや焼いた血管の硬さは、ここから術後2か月目にかけて改善していきます。
足のつりや重だるさなどの症状が改善し楽になります。

治療後1か月~半年

ここからは、傷や色味が改善していきます。
傷や固まった静脈の部分が柔らかくなり、むくみも徐々に目立たなくなっていきます。

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