下肢静脈は何科に行けば治療できる?どの科に行っても結局様子をみるだけに…何科ではなく下肢静脈瘤専門病院へ!

      2018/12/22

足のむくみやだるさがつらいけど、これって下肢静脈瘤? 早く治療したいけど、何科で診てもらったらいいのだろう…。

怪我ではないので内科? それとも足の症状だから外科?

こうした「下肢静脈瘤はどの診療科を受診すればいいの?」という疑問は、非常に多く寄せられます。
ここでは「もしかして下肢静脈瘤かも」と思ったら、どの診療科を受診すればよいかを説明していきます。

下肢静脈瘤を扱う診療科は何科?

下肢静脈瘤は、足(下肢)の静脈がコブ(瘤)のようになってしまう症状、つまり血管(静脈)の病気です。

ですので、原則的に専門となるのは「血管外科」という診療科となります。

実際に、以前の静脈瘤治療は外科的な手術によるものが一般的でした。

しかし、血管外科がある病院はあまりなく、あったとしても下肢静脈瘤の治療を日常的に行っている病院となると、さらに数が限られてしまうのが現実です。
また、血管外科は心臓血管外科と一括りにされている場合も多く、直接命にかかわる心臓や動脈などの病気の対応が主となるため、血管外科医だからといって下肢静脈瘤の治療経験が豊富とは限りません。

2011年、下肢静脈瘤に対する血管内治療(以下、カテーテル治療)が保険適応になったことをきっかけに、一部の血管外科だけが下肢静脈瘤の治療を行うことができるという状況は徐々に変わりつつあります。
高周波やレーザーを使用するカテーテル治療は、メスを使わない「切らない治療」であり、高度な外科的手腕が必要な血管の処理や縫合は基本的にありません。ですので、カテーテルの挿入や静脈瘤のエコー検査など、専門的なテクニックや知識を習得すれば、診療科を問わず静脈瘤の治療を行うことができます。

カテーテル治療を保険適応で行うには「実施医」という資格が必要になりますが、この資格の取得には診療科は問われません。
また、血管外科医だけでなく形成外科医、脈管(みゃっかん)医、皮膚科医、放射線科医いずれかの専門医が常勤していれば、「実施施設基準(カテーテル治療を保険適応化で行うための施設基準)」の申請が可能であり、実際に形成外科や皮膚科で静脈瘤の治療を行っている病院もあります。

これらの現状から「下肢静脈瘤は何科で治してもらえるの?」という質問の答えは、非常にあやふやになってしまってきています。

「下肢静脈瘤専門クリニック」で治療できる!

では、結局のところ下肢静脈瘤を治療するためにはどこへ行けばよいのでしょうか?

一番確実で安心なのは、「下肢静脈瘤の治療を専門としているクリニック」へ行くことです。

近年、下肢静脈瘤という病気が少しずつ認知されてきたことにより、この病気を専門で扱う医療機関が全国的に増加してきています。各都道府県に1カ所は存在するといっても過言ではありません。

最近の医療機関はそのほとんどがホームページを設置していますので、「ご自身がお住いの都道府県や市町村名」と「下肢静脈瘤」という2つのキーワードでインターネット検索すれば、最寄りの下肢静脈瘤専門クリニックがすぐにわかることでしょう。

もし近隣になかったとしても、静脈瘤のカテーテル治療は長期の通院を必要としないので、多少遠方でも来院を検討してみることをおすすめします。

よい専門クリニックを選ぶための3つのポイント

下肢静脈瘤専門クリニックの候補がいくつか存在した場合、どのクリックを選ぶべきなのか。よいクリニックを選ぶための3つのポイントを説明します。

実際に治療を受けた人に聞く

もっともおすすめの方法は、実際に治療を受けた人に感想を聞いてみることです。
下肢静脈瘤は発症する人が非常に多い病気なので、親族や知人に治療を受けた人がすでにいるかもしれません。
もし話を聞く機会がもてたなら、術後の経過を伺って、良好であればクリニックを教えてもらうとよいでしょう。

かかりつけ医に聞く

もうひとつは、いつもお世話になっているかかりつけ医に聞いてみること。
かかりつけ医に限らず、病気や怪我でほかの病院にかかったときに、医師に聞いてみるものよいでしょう。
下肢静脈瘤の悩みを抱える人はとても多いので、多くの医師は過去にたくさんの下肢静脈瘤の相談を受けてきているはずです。
実際に専門クリニックで治療を受けた自分の患者さんの経過も見てきているので、おすすめのクリニックがどこなのか知っている医師は多くいます。

実際に診察を受けて決める

最後のひとつは、「実際に診察を受けてみてから決める」ということです。
下肢静脈瘤の進行はとてもゆっくりで、命にかかわるような悪性の病気でもないので、治療を急ぐ必要性はあまりありません。
実際に専門クリニックで診察や検査を受け、医師の説明を聞いて最終的に「信頼できるクリニックだ」と納得できたなら治療する、そうでないなら別のクリニックを検討してみるとよいでしょう。

「なかなか治療してもらえない下肢静脈瘤・何科に行けば?」問題

当院は、2016年7月1日に開業して以来、たくさんの患者さんに来院して頂いています。

「いつから静脈瘤があるのですか?」と尋ねると、10年、20年熟成させてきたという患者さんがたくさんいます。

巨大化した血管がボコボコにウネウネしていたり、色素沈着がひどかったり、浮腫がひどく象の足の様になってしまっている方も少なくありません。

そのような患者さんに、「なぜ今まで治療してこなかったのですか?」と尋ねると、回答は概ね4つのパターンに分かれます。

  1. 病気だと思っていなかった。治ると思っていなかった。歳だから仕方ないと思っていた。
  2. 病気だと思っていたが、何科に行ったら良いかわからなかった。
  3. 医師(心臓血管外科以外)に診てもらったが、大丈夫と言われた。
  4. 医師(心臓血管外科)に診てもらったが、大丈夫と言われた。

①、②に関しては患者さんの情報不足、③、④に関しては医療者側の問題があります。

漫画でわかる「なかなか治療してもらえない下肢静脈瘤」
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下肢静脈瘤は放っておいても命に関わる病気ではありません。

しかし、進行すると「足がむくむ」、「足がだるい」、「寝ていると足がつって目が覚める」、「足がかゆい」、「足が痛い」、「足が赤くなって腫れる」などの症状が出てきます。

特に高齢者の場合、このような症状があると外出が困難になり、ADLQOLが著しく損なわれることも少なくありません。長年つらい症状に悩みながら、歳のせいだと諦めて、治る病気だと認識していない患者さんが実はたくさんいらっしゃいます。

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上の写真くらい足がむくんでいると、足に重りをつけて生活しているようなものです。

治療すると、血管のボコボコはキレイに治りますし、「むくみ」、「足のだるさ」などの症状はなくなります。ただ、治療しても写真のようにくるぶし付近に付いてしまった色は、基本的にこのままです。

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色素沈着と潰瘍

下肢静脈瘤は、上記のような症状や、血管のボコボコ以外に、進行すると「色素沈着」や「難治性潰瘍」という症状も出てきます。

治療すれば「潰瘍」は治癒しますが、傷跡は残ります。「色素沈着」は治療しても基本的に消えません。

進行してからでも治る症状と治らない症状があるのです。

実は、下肢静脈瘤は医学的には血管のボコボコが問題なのではなく、症状とその進行が問題なのです。

しかし、このような情報は多くの患者さんも心臓血管外科以外の先生も知らないことが多いです。

下肢静脈瘤を疑ったら、最低でも血管超音波検査を行うか、できなければできる病院に紹介するべきなのですが、実際には「大丈夫です」と片付けられてしまうことが多いのが実情です。

せっかく受診したのに、検査や治療の機会を与えられることなく帰宅する患者さんはとても多いです。

また、下肢静脈瘤は血管外科や心臓血管外科が専門ですが、それらの診療科を標榜して開業されている先生はほとんどいませんし、基本的に大病院にしかありません。

そして、それらの病院は基本的に紹介された患者さんのみを受け入れいているので、他科で「大丈夫」と言われてしまうと受診する機会はありません。

血管外科や心臓血管外科に紹介された場合でも、彼らは非常に忙しく、心臓や動脈疾患を主に扱っていて、正直なところ静脈瘤まで手が回らないのが実情です。
どうしても生命にかかわる、緊急性のある疾患に診療の重点が置かれてしまうのです。
これは、現在の医療システムでは致し方ないことだと思います。

そのため、大抵の大病院では、下肢静脈瘤手術は週に1回、1-2人の患者さんを治療しています。

もちろん、手術予約は半年〜1年先まで埋まっています。

このような状況なので、下肢静脈瘤があって、つらい症状に悩んでいても「まだ大丈夫、様子をみましょう」と言われて帰されてしまうのです。

下肢静脈瘤がある患者さんの場合、血管超音波検査を行って、静脈に逆流があるかチェックします。静脈学会のガイドラインに従えば、基本的に逆流があって症状がある患者さんは手術適応となります。

医師は治療した場合と治療しない場合のメリットとデメリットについてお話しして、治療を希望するかどうか、治療しなくても「大丈夫」かどうかを患者さん本人に決めてもらうべきなのです。

これは、下肢静脈瘤診療に限らず、すべての疾患の診療に対して行われている現代医療の共通の考え方です。

医療者側の都合で、患者さんの治療の機会を奪ってはいけないのです。

今まで、つらい症状を抱えながら、治療の機会がなかった患者さんを1人でも多く救いたいと思い、下肢静脈瘤治療専門のクリニックを開業致しました。
今まで病気だと気づかなかった患者さん、今まで治療してもらえなかった患者さんのために、今後も積極的に情報発信していきたいと思います。

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