本当は怖い下肢静脈瘤という病気・二次性静脈瘤

   

以前お話ししましたが、下肢静脈瘤の原因は
静脈の逆流
でしたね。静脈瘤は静脈の逆流によって様々な症状が出現する病気です。実は、これは一般的な一次性静脈瘤というタイプの下肢静脈瘤のお話で、今回お話するのは二次性静脈瘤というタイプの下肢静脈瘤です。

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一次性静脈瘤は、表在静脈(正確には大腿部にある大伏在静脈や副伏在静脈、下腿背側にある小伏在静脈)の弁機能に異常があり、血液が逆流することによって起きる静脈瘤です(上図の左)。逆流している血管をレーザーや高周波で焼灼、あるいは逆流している血管を抜去(ストリッピング)すると、静脈瘤が治るだけでなく、浮腫、倦怠感、こむら返りなどの症状が消失します。

二次性静脈瘤は、深部静脈の閉塞または狭窄によって、表在静脈が側副血行路となって静脈内圧が上昇することによって起きる静脈瘤です(上図の右)。代表的な原因として、深部静脈が血栓で閉塞する深部静脈血栓症があります。深部静脈血栓症は、血栓が肺に飛んでしまうと肺塞栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)となって致命的な転帰となることがあります。そうならないためにも、血栓を溶かしたり、血栓を出来にくくしたり、飛ばないようにする治療が必要になります。また、血栓ができやすい基礎疾患を抱えていることもあり、血栓に対する治療と並行して精密検査が必要な疾患です。

下肢静脈瘤は、命に関わることがないと医療関係者からも甘く見られがちですが、それはあくまで一次性静脈瘤の話です。下肢静脈瘤診療で最も重要なことの1つは、二次性静脈瘤を見逃さないことです。二次性静脈瘤の頻度自体は決して多くはありませんが、普通の静脈瘤だと思っていたら、深部静脈血栓症が原因だったという患者さんがいることも事実です。当院は、今年の7月に開業以来、たくさんの患者さんに来ていただいており、そのほとんどが一次性静脈瘤でした。その中に数名、深部静脈血栓症の患者さんがいて、総合病院に紹介しております。そのうち1名は、初診時の超音波検査で深部静脈の閉塞の所見があり、そのまま救急外来に紹介して肺塞栓症の診断となり、即日入院となりました。

下肢静脈瘤がある方は、一度、超音波検査を受けることをお勧めいたします。

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