静脈瘤はなぜ起こる?

   

静脈瘤とは、下の写真のような体表の血管がボコボコになった状態のことです。なぜこのようなことが起きるのかは意外と知られていないのではないでしょうか。

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静脈は全身に行き渡った血液が、心臓に戻る時の通り道です。静脈は隣を走行する動脈の拍動や、筋肉のポンプ作用を借りて血液を心臓に還流しているのですが、静脈圧は動脈圧に比べて非常に低く、足先から心臓に血液を戻すのは大変なのです。寝ている時は良いのですが、立っていると重力が働きますから、心臓に血液を戻すどころか、重力に負けて容易に逆流してしまうこともあります。
そこで、下の左の図のような逆流防止弁が付いていて、重力に負けずに少しずつ血液を心臓に還流できるようになっています。

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ところが、逆流を防いでいる弁になんらかの異常があると、立っている時などは重力に負けて血液が逆流してしまいます。静脈の壁は非常に弱く、逆流が長期に継続すると風船のように静脈が膨らんできます。これが静脈瘤です。

静脈が膨らんでいるだけであれば、見た目だけの問題なので何年も放っておく人も多いと思います。ところが、逆流によって、体液が足の下の方にたまりやすくなりますで、足がむくんだり、だるくなったり、足がつるという症状につながります。重力が働く時間が長ければ症状が強くなりますので、朝は症状が軽く、夕方に足がだるくなるというのが典型的なです。また、よく動いた日の夜は、足がつって目が覚めるという症状も多いです。

サプリメントを飲んだり、マッサージや、整体、電気?、超音波?など色々試したという話はよく聞きますが、静脈瘤や足の症状の原因は静脈の逆流ですから、静脈の逆流を遮断するのが唯一の治療法となります。マッサージや整体で静脈の逆流が止まるでしょうか?弁の異常が治るでしょうか?

静脈瘤の逆流を止める治療法で有効性が確立されているのは、逆流している血管を引っこ抜く昔ながらの「ストリッピング術」か、逆流している血管を焼くという新しい治療法である「血管内焼灼術」のみです。心臓血管外科や血管外科は大きな病院にしかなく、大きな病院では静脈瘤治療をメインで行っているわけではないため、「血管内焼灼術」が普及しているとは言いがたい状況です。従って、日本の静脈瘤治療はまだまだ「ストリッピング術」が主流ではありますが、キズも残らず患者さんの負担の少ない「血管内焼灼術」が大都市の静脈瘤専門クリニックを中心に普及しつつあります。

東北の患者さんは、なかなか「血管内焼灼術」を受ける機会がなかったと思います。そもそも、「血管内焼灼術」を行っている施設がほとんどありませんし、あったとしても諸事情で患者数に対して行っている手術数が少なすぎるのです。当院では毎日10件以上の手術が可能な体制を整えていますので、初診から数日後に治療することが可能です。静脈瘤は放っておいても治ることはまずありませんし、徐々に進行する病気です。静脈瘤によるつらい症状でお悩みの方は、一度受診していただければと思います。

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